世界は美濃に憧れる セラミックバレー

千三百年もの長きに亘り、やきものの産業と文化が息づくこの地は、陶土に恵まれ、
器やタイル、ニューセラミックスまで幅広い美濃焼が生産され、
作家や窯元、商社や関連企業が集う世界有数のやきもの産業の一大生産地です。
そして今、受け継がれてきた文化と技術に、時代をとらえた柔軟性と多様性を融合させ、
さらなる挑戦と創造の系譜を宿すこの地を「セラミックバレー」と名付けました。

Creators Profile

  • 佐藤 卓
    クリエイティブ・ディレクター

    佐藤 卓

    Taku Sato

    1979年東京藝術大学デザイン科卒業、1981年同大学院修了。株式会社電通を経て、1984年佐藤卓デザイン事務所設立。「ロッテ キシリトールガム」や「明治おいしい牛乳」などのパッケージデザイン、「金沢21世紀美術館」、「国立科学博物館」、「全国高校野球選手権大会」等のシンボルマークを手掛ける。
    また、NHK Eテレ「にほんごであそぼ」アートディレクター、「デザインあ」の総合指導、21_21 DESIGN SIGHTディレクターおよび館長を務めるなど多岐にわたって活動。著書に「デザインの解剖」シリーズ(美術出版社)、「クジラは潮を吹いていた」(DNPアートコミュニケーションズ)、「塑する思考」(新潮社)など。

  • 橋本 麻里
    ライター

    橋本 麻里

    Mari Hashimoto

    日本美術を主な領域とするライター、エディター。公益財団法人永青文庫副館長。出版社勤務を経てフリーランスに。新聞、雑誌等への寄稿のほか、NHKの美術番組を中心に、日本美術の楽しく、わかりやすい解説に定評がある。また文化施設・事業の企画、伝統工芸品の開発など、コンサルティング業務も手がける。
    著書に『美術でたどる日本の歴史』全3巻(汐文社)、『京都で日本美術をみる[京都国立博物館]』(集英社クリエイティブ)、『変り兜 戦国のCOOL DESIGN』(新潮社)、共著に『SHUNGART』『原寸美術館 HOKUSAI100!』(共に小学館)、編著に『日本美術全集』第20巻(小学館)。ほか多数。

  • 日暮 真三
    コピーライター

    日暮 真三

    Shinzo Higurashi

    「無印良品」ネーミング、西武百貨店テーマキャンペーン、篠山紀信「激写」シリーズ、リクルート企業スローガン、劇団四季「ライオンキング」のコピー。
    東京コピーライターズクラブ賞、ニューヨークADC賞金賞、日本ネーミング大賞優秀賞受賞。NHK教育テレビ(現・NHK Eテレ)「おかあさんといっしょ」月歌や体操の歌、世界卓球選手権テーマソング等の作詞。

  • 山中 有
    映像作家

    山中 有

    Yu Yamanaka

    映像作家。1976年山梨県生まれ。
    主な仕事にSIGMAプレゼンツ短編映画『blur』、BMW PR短編映画『青い手』、国立新美術館 〈三宅一生展〉 出品映像『紙衣』、NHK大河ドラマ『八重の桜』タイトルバック(クリエイターズパート)、NHK Eテレ『デザインあ』『ジャパングル』、ほか多数。

セラミックバレー

  • 岐阜県の多治見市、土岐市、瑞浪市からなる東濃地域は、良質な陶土と焼成の燃料(蒔)となるカラマツに恵まれたことから、7世紀ごろから1300年の長きに亘ってやきものの産業と文化が息づく地域として有名です。

    原料となる陶土の採掘業者から、製造を担う窯元、流通を担う商社など、原材料から製造機械メーカーまで含めて関連企業数百社が集積する、世界有数の焼きものの一大生産地となっています。
    The eastern Mino district comprising Tajimi, Toki and Mizunami cities located in Gifu prefecture, Japan has been known for its ceramics industry and culture for 1300 years, blessed with high-quality clay soils and abundant larch to fire the kilns.

    This is one of the world's biggest centers of ceramics production, with hundreds of related companies in the region from raw materials to machinery makers, including clay producers, the potters who produce the ceramics and the trading companies that distribute the products.
  • 陶土層
    陶土層
  • ここでつくられるやきものは美濃焼と呼ばれています。美濃焼の美しさを語るうえで、16世紀に焼かれた桃山陶と呼ばれる一連のやきものを外すことはできません。黄瀬戸、織部、志野、瀬戸黒に代表されるこれらの焼きものは、日本の茶道文化と深く交わり、深化を遂げた、日本独自の美を内包した焼きものです。

    そうした伝統と積み重ねてきた高度な技術と美意識のもと、移り変わる時代の風を柔軟に取り込みながら、現在も作家による陶芸作品からカップや皿などの日常食器、建築資材のタイル、ニューセラミックスにいたるまで、質的にも量的にも多種多様なやきものがつくり続けられています。こうした多様性こそが美濃焼の特徴といえます。
    The ceramics produced here are called Mino-yaki,or Mino ware. The beauty of Mino ware cannot be spoken of without reference to the works of the Momoyama period in the 16th century. Leading styles at the time were Kizeto (Yellow Seto), Oribe, Shino and Setoguro, strongly implicating in the deepening of Japan’s tea culture and indeed the evolution of an aesthetic sense unique to the country.

    Ceramics production continues to flourish in a diversity of styles and volumes, based on centuries of tradition, a high level of skill and aesthetic sense while gently bowing to changing times and fashions. Craftspeople today produce ceramic items, cups, plates and other daily kitchenware, construction tiles and new ceramics.
  • 人間国宝 鈴木藏 作
    人間国宝 鈴木藏 作
  • 美濃は漢字で「濃(こま)やかな美しさ」と書きます。美濃焼の意匠は、表面上の美しさだけで語りつくすことができない、深みをたたえています。焼きものの聖地だからこそ受け継がれてきた意匠に対する高い美意識と、それを可能にする高度な技術が美濃焼には宿っています。
    Mino in Japanese is komayaka na utsukushisa (“thick-textured beauty”). sight alone. It goes deeper. Mino ware is designed with the high aesthetic perfected over centuries in a region revered for ceramics, made possible by the high level of skill.
  • 秀峰窯 作
    秀峰窯 中垣連次 作
  • 近年この地では、新進気鋭の若手陶芸家による活躍が広がり、クリエイターを目指す若者に大きな刺激を与えています。その中で新しい風となり、焼きものの世界で挑戦を続ける作家とともに、美濃焼の可能性はさらに広がっています。やきものに関するモノと人が交わり、新たな風を呼び込むこの地では、常に新しいやきもののムーブメントが生まれています。
    In recent years, this region has seen a surge in young and upcoming potters, and their creative activities are stimulating youths aspiring to be people and objects is breathing fresh air into the Mino scene, giving birth to a movement of permanent innovation.
  • ろくろ
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